2010/10/01

【PMノウハウ】ステークホルダーマネジメント

PMは、管理をするだけが仕事ではない。
PMの仕事の中で、面倒で、精神的にも負担となるのが、ありとあらゆる相手と交渉しなくてはならないことだと思う。(他にも面倒なことは山ほどあるが)
PMが交渉する相手は、常に客だけとは限らない。プロジェクトメンバーとも、社内の上司とも、さらにはプロジェクトを担当する営業とも。いわゆるステークホルダー全てが交渉相手となる。
各者各様、プロジェクトに対しそれぞれ利害をもつ。その利害がPMとは、まず間違いなく一致しない。

PMは、安全かつ余裕を持って仕事をしたい。客は、短期に安いコストで終わらせたい。
PMは、リスクを計上した見積を出したい。営業は、より安く、売りやすい価格に設定したい。
PMは、優秀な人材を集めたい。社内の上司は、優秀な人材を一箇所に集めず分散し、かつ優秀でない人材にも仕事をさせなくてはならない。

交渉相手も、PM自身も、要は、楽に仕事をしたい、自分の評価をあげたい、という、いずれも自身の利益を考えている。利益が合致する間は協力体制を保つが、反する場合は敵となる。

敵を作らず、見方を増やすためには、 自身の利益と相手の利益が合致するポイントを見つけなくてはならない。または、自身の不利益が相手の不利益になるように。

PMは安全に余裕を持って仕事を進めたい。期間を短縮した場合、客にもレビューや意思決定のスピードアップを要求せざるを得ない。無理に期間を短縮することは、双方にとってデメリットである。
PMは、リスクを計上した見積を出したい。要は売上額がより高くなる、ということ。高い価格でも契約できるように互いに協力する。営業も成績が上がり、PMにとってはコスト上の余裕ができる。
PMは優秀な人材を確保したい。ただし、そうそう集まらない。無駄な社内交渉を避けるためには、若年者の教育を買って出る、その代わり有識者を入れろ、と上司と交渉する。

相手と交渉し、協力関係を築くためには、まずは相手が望む利益、相手が恐れる不利益を知る。
次に、相手と利益・不利益を共有し、運命共同体となる(部分を作る)。

このあたりが、ステークホルダーマネジメントの第一歩、と思う。

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