2010/09/21

【PMノウハウ】End to Endの作業計画

プロジェクトが立ち上がる前には、たいていは”プロジェクト計画”を立案する。
 さて、その計画は、どういうレベルで、どの範囲まで書いているか?

たまに、こんな声を聞くことがある。

”大規模・長期のプロジェクトだから、直近3ヶ月だけ詳細化して、あとはザックリした計画で”
”規模が大きすぎて、そんな先の事まで判らないし、細かく定義できないよ”
”計画作るのだけで、3ヶ月はかかっちゃうよ”

さてさて、これは?

大規模プロジェクトとは、要員工数/月(ヘッドカウント)が多い、ということ。
そのようなプロジェクトは、指揮命令系統がいくらしっかりしていても、
方針変換しようとすると、時間がかかり、また混乱が生じやすい。
つまり、大規模であればあるほど、プロジェクト期間中の方針変換は避けるべき。
100人のプロジェクトなら、1日ロスしただけで5人月。
1000人なら50人月。
たった一日で、数千万円のコストが無駄になる。
単価が高けりゃ、また混乱して数日間、作業の停滞や手戻りが発生しただけで、億単位のコストが吹っ飛ぶ。

方針変換を求められるのは、先々を考えて予め手を打たなかったため、また先々を見通していなかったため発生した問題に対して対応するときが多い。

ということは、むやみに方針変換することが無いように、先の先まで、詳細に作業を定義し、計画し、その計画内容の実現性を評価し、自信を持って進められる裏づけを持たなくてはならない。

計画が立てられていないプロジェクトは、間違いなくトラブる。
トラブルだけでなく、その解決への対応が、より混乱をきたして、迷走状態になる。

緻密な計画を考えるなんてコストがかかる、と思われるかもしれないが、トラブったり、迷走したりすると、もっとコストがかかる

End to End(最初から最後まで)の計画を立て、方針変換のリスクを抑制するように、先々まで見通し、”絶対上手くいく” という自身を持って臨むのが、理想的である。

孫子でも、こう書かれてます。

夫れ未だ戦わずして廟算[びょうさん]して勝つ者は、算を得ること多ければなり。未だ戦わずして廟算して勝たざる者は、算を得ること少なければなり。算多きは勝ち、算少なきは勝たず。
  
計画を立て、勝算を得てからプロジェクトを開始する。
当たり前のことだがが、なかなか(営業的な)事情が許してくれないことも往々にしてある。
でも、PMとなったからには、少なくとも自分自身が勝算を感じられる計画は立てるべき。

そう思います。

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