2012/10/27

【合気道稽古日記】2012/09/02 残りの一分

『合気道は、九分九厘、物理学で説明できます。では残りは?』

今日の稽古は、この残りを研究。

Webで合気道の動画を検索すると、触れずに相手を倒すとか、軽く触れたりするだけで相手を
倒す、見たいな動画が出てきたりする。

相手に触れずに相手を倒すことが本当に可能なのか???

物理学的に考えると、

 相手と接点を持たない = 相手に力を加えない = 倒すなんて無理!

となりそうだが・・・・

これを実現するのが残りの”一分”。今日はこの仕組みについて、研究。

まず前提として、合気道には暗黙のルールがある。

受けは、相手に対し積極的に攻撃をし、また、相手(取り)からの反撃をかわすように動く。
同様に、取りは、受けの攻撃をかわし・封じ、最終的に技につなげる、という動く。

・・・というものである。

受けが攻める気の無い動きをすると、実は合気道の技は成立しなくなったりする。
取りが受けからの攻撃タイミングに合わない動作をすると、これまた技が成立しなくなる。

このルールに則ると、以下のような事が起きる。

1)S先生に対し正面打ちを仕掛ける。
2)その動作に対し、先生が目の前で手を動かす。
3)受けは先生の手との間合いを取ろうとする、またはかわそうとする。

この3)のタイミングで、受けはバランスを崩し、投げられるというより自らが倒れる。

または、

2)のタイミングで、先生は相手に対し、ある技の動きをする。
3)にて、受けは無意識に技に対する反応をし、そのためバランスを崩す。

・・というような仕組み。

では、全く合気道の経験の無い人に対し、同じ様に触らずに”崩し”ができるか?

恐らく難しいでしょう。

こういう仕組みだとすると、”八百長では?” なんて思われるかもしれないが、

そうではなく、受けも取りも真剣に向き合うからこそ、起きる事象であって、

どちらかが手を抜いていると、この”触れずに崩す”は、成り立たない。

そして、何度も稽古をしあった相手だからこそ、崩すタイミングが判る。

一見不思議な合気道の技も、実は、真剣に稽古をした成果の表れだったりするのです。


2012/10/08

【合気道稽古日記】2012/08/26 回転+テコ

ちなみに、このBlogを書いているのが既に10月。
8月から最近に至るまで、毎回の稽古で重要なテーマを習っており、自分の為に&稽古仲間と共有するために、このBlogを記録するつもりでしたが・・・すっかり更新が遅れてしまいました。
・・・・・ 夏休みの宿題を溜め込んだ小学生の気分です。

さて、8/26の稽古では、もうひとつ重要なテーマが。

”合気道の九分九厘は物理学で説明できます”
円明会の稽古では、イメージなどの感覚的な稽古もありますが、理論的に技を解析し、動きのひとつひとつの意味を理解する、という時間もあります。

そこで、今日の物理の勉強?は、”回転とテコ”

相手を動かすには力が必要、ただ、力勝負をするのは合気道ではありません。
小さな力で相手を動かす、そのためには”梃子(テコ)の原理”を使います。

 自分や相手の肩や肘、手首などを支点として力を加える事で、技の中にテコの原理を生かすことができます。

ただ、今回の稽古は、”テコでも動かない?”ような場合に、より効率的に力を使う方法として、
”テコ+回転運度” で相手を導く、というのがテーマ。
イメージで言うと、
テコの動きで、力点に回転運動を加える、というもの。

この場合、右側の力点にかける力と左側の作用点に働く力は、テコだけでなく、右側の回転半径と左側の回転半径の違いによるトルク(回転)も働くことになり、より効率的に相手に力を伝えることができる、というものです。

これを何処で使うか?

今日は、正面打ち一教の裏で、

 ①相手の正面打ちに対し、相手の肘を支点に、相手の手首を力点、肩を作用点に見立て、
  回転&テコの動きで相手の肩を返す。
 ②相手の裏に回り、同様に相手の肘を支点、相手の手首を力点、肩を作用点にし、相手の
  肩を下げるように動かす。

など、いろんなところでこの動きを取り入れた稽古をしてみました。

円の動きが多い合気道。
いろんな技や動きで、この理論は使えそうです。
 
最後の問題

 『合気道は九分九厘、物理学で説明できますが、では残りは?』

これは次週の稽古にて。














【合気道稽古日記】2012/08/26 イメージが重要!

仕事やら帰省やらで、気がつくと前回の更新から、丸一ヶ月たってました。イカンイカン・・・
 それだけ稽古も休んでいたということで、今日は3週間ぶりの稽古でした。
 円明会の稽古は午前中なのですが、今日は朝から気温が高く、午前中&クーラーが効いているとはいえ、それでも道場は暑い。

こんな時は、体を動かす稽古より、頭を使う稽古を多くすることがS先生の優しいところ。
(その代わり、寒い時期は、とことん体を動かしますけど)

今日の一発目は、座技呼吸法について。
座技呼吸法は、恐らく気力の鍛錬いわばトレーニングの一種と言われます。先生は、投げ技・押さえ技や受けのとり方に通じる要素がいくつも含まれているので、基本となる座技呼吸法については大事に、何度も指導されます。

さて、この座技呼吸法の動きについて、今日は新たな発見が。
先生曰く、

”座技呼吸法の動きを、次のイメージでやってみてください”
 ①前にある箱を横に置く
 ②大きなボールを転がす

これ、はたから見ると殆ど違いがないが、実際に受けると違いがくっきり。
”置く”イメージだと下方向に力がかかる、転がすイメージだと斜め方向、しかし下向きも方向を感じる。力強く押さえが利くのが置くイメージ、転がすイメージだと少し柔らかい感じがする。


見た目は、ほぼ同じ動作。大げさに違いを意識して体を動かさないと、この違いは判らないと思いますが、このちょっとしたイメージの違いは、受けを取る側からする違いははっきり感じられる。

イメージが動きを左右する、単に体を動かすのではなくイメージを持って稽古に臨むことが重要だということが良くわかる稽古でした。